今日、とある保育園の近くで、園児と保育士さんの集団とすれ違った。一人の保育士さんが声をかけてきた。
「黒田先生・・・ですよね?」
「私、もう10年以上も前に○○高校で教えていただいた、Mです!」
時計が、逆回りに大きく回転する。
十数年前の教室がよみがえる。
まだ大学を卒業したばかりの、新米教師の授業を、
必死な顔で真剣に聴いてくれていた、セーラー服の女の子。
私が定期異動で、○○高校を去ることになった日、
真っ赤に泣きはらした目で、私を見つめていた、女の子。
最後の授業の日、(それは春休みの補習であった)
「離れていても、一緒に時を刻みたいから」と言って、
H・Mちゃんと二人で、ピンクの小さな置き時計をプレゼント
してくれました。
ピンクの小さな置き時計は、それから10年、職場の私の
机の上で、しっかりと時を刻み続けてくれました。
カチカチ、という音は、「がんばれ、がんばろ!」と、いつも
私を励まして(追い立てて?笑)
私に初心を思い出させてくれました!
時計を眺めるたびに思い出す、M・AとH・Mの顔。
あの、セーラー服。まなざし。
十数年の時を経て、あのときと同じ笑顔が、目の前で笑っていました。
「もう10年以上も前の生徒なので、もしかしたら、先生は私のことなんかお忘れかな、と思って、声をかけようかどうしようか、とためらったんですけど、やっぱり、せっかくお会いできたから、どうしてもお話したくて!」と、彼女。
忘れるわけがありません!!
一緒に写真も撮ったのだけれど、彼女は「保育士」中であったため、ジャージ姿で・・・
写真のブログへの掲載はNGってことでした(^_^;)
写真は、私だけの心にしまっておきます。
十数年も昔の生徒が、「先生、覚えてくれてますか?」と街で声をかけてくれる。こんな嬉しいことはありません! 幸せな瞬間でした。