Office MAIKO国語専門塾のつれづれ日記

Office MAIKOが思いついた時に書き記します。きっと、なかなか更新されません(苦笑)

Scott & Rivers

 今朝、なにげなく付けていたTVで出会った、Scott&Rivers
衝撃的だった!!!(゜◇゜)!!

 アメリカの男性ユニット、Scott&Rivers

 日本語を勉強していたScottは、日本語練習の一環に、という理由で、自身のバンドで日本の曲を演奏し始める。最初は、ドラえもんアンパンマンなどのアニソン。
 歌っているうちに、日本の楽曲を好きになり、槇原敬之の「どんなときも」やスピッツの楽曲、果ては美空ひばりの「川の流れのように」までをロックバンドでカバーするようになった。
 それがどんどん話題となり、Riversと出会う。Riversは、アメリカでは有名なロックバンドのボーカルで、そのアルバムは100万枚のセールスをあげるようなミュージシャン。
 この二人はともに日本が大好きで、すぐに意気投合。オリジナルの日本語楽曲で、このたび日本でデビューすることになったという。

 デビュー曲「HOMELY GIRL」は、Riversが作詞作曲したものを、Scottが日本語訳したもの。とってもキャッチーなメロディに、かわいい日本語詩がのっている。

 この日本語詩と、PVに私は釘付けになった!!

 http://www.youtube.com/watch?v=D_tBv1Pu9ok

 歌詞の中に「綺麗」とか「完璧」って出てくるんだけどね、漢字表記なのよ!!
 日本人なら、歌詞にするとしても、ほぼ100%「きれい」「キレイ」「カンペキ」などのように、カタカナかひらがなだ! きっと漢字にはしない。
 でも、アメリカ人の彼らは、これを「わざわざ」漢字にするんだなぁ~!!
 この、言語感覚の違いが、とてつもなく面白い!!!!!

 だいたいさ、なんでわざわざ日本語??
 だってさ、日本人なんて「英語の歌詞がカッコイイ」なんて思ってる人が多いわけだからさ、わざわざ日本語にしなくても、英語のままでヨカッタじゃんって思うのね。
 でも、日本語にした。彼らは、日本語にこだわった!!!

 折しも昨晩、NHK(Eテレ)の番組「スクールライブショー」という高校生バンドのオーディション番組を見た。英語詩の歌を歌う高校生に、番組の審査員を務めるミュージシャン徳永暁人氏がアドバイスをしていた。「英語で歌わずに日本語で唄ってみろ。」 その通りに実践した高校生に徳永氏が言う。「やっと伝えたいことが前に出てきて、君たち自身にも自信が見えるようになってきた」
 英語に逃げず、自分たちの言葉で勝負しろよ、と檄を飛ばした徳永氏。

 その番組を見た翌日に、出会ったScott&Rivers.

 彼らは、最初に作った英語の歌詞を、「きっとこんな感じのことを謡いたいのだろうな」と想像して自分たちで日本語にするらしい。なぜ、わざわざ日本語にするのか??

 かつて日本のミュージシャンたちは、歌詞に英語を多用した。
 彼らは、面と向かって「好き」だなんて、こっぱずかしくて言えなかったんだろう。テレの文化を持つ日本では、直球で愛を伝えることは「ムリ」。
言われる方だって、「君を永遠に愛しているよ」なんて言われた日にゃあ、クサすぎて、耐えられない。嬉しいよりも前に、ぞわぞわっってムシズが走ってしまう。
ケド、おんなじ意味でも「I love you forever」なら、すんなりと受け入れられる。きっと、感動して涙の一つも流すのだろう。

 伝えたいことは言葉にしないと伝わらない、と考える欧米人は、なんでも言葉にしちゃうから、くっさい愛のセリフだって、「言う文化」のお国のことばなら、OKなんだ。
 以心伝心、ココロはきっと伝わるさ、と考える日本人とはちがう。

 そんな、ある意味で「コトバのチカラ」を大切にする遺伝子を持つ彼ら(ScottとRivers)が、テレもてらいもなく、日本語で愛を謡ったら、どんな歌詞になってくるのだろう。
 そう思うと、ワクワクが止まらない。楽しみでならない。