Office MAIKO国語専門塾のつれづれ日記

Office MAIKOが思いついた時に書き記します。きっと、なかなか更新されません(苦笑)

はさみ

小学生の時、家庭科の授業で、学校の先生から教わった。
「はさみは、『紙用』『布用』と使い分けること。
なんでも一緒くたにしたらダメです!」

とっても素直だった私は、
購買で、同じ銘柄の色違いのはさみを2本買い、
きっちりと「布用」「紙用」と使い分けるようになった。

そのはさみは、安価なわりにとっても切れ味がよく、
私のお気に入りとなって、何年も使った。

中学生になったある日、
家庭科の時間に、家庭科室で「紙用」のはさみを
持ち合わせていなかった私は、「布用」のはさみで
型紙を切ろうと試みた。

(゜o゜;) 切れない!!!

ずっと「布」しか切っていなかったはさみは、
まったく「紙」になじまず、切ろうとしても
紙がくしゃくしゃによれるだけで、文字通り
歯が立たない!!

家に帰って、急いで「逆」を試してみた。
今度は、「紙用」で「布」を切ってみたのだ。

これまた、切れない(゜Д゜)!!

同じ銘柄の、安物の、色違いのはさみは、
何年も使い込むうちに、「素材」になじみ、
はさみの「環境」になじみ、いつしか「異質なもの」を
受け入れない「体質」へと変化していたのだった!

以来、なんとなく 刃物については「使い分け」を
している。 オフィスで使うはさみは、「紙用」。
家庭用はさみも、100均で3本購入した。
リビングには「紙用」、キッチンには「プラ製品用」
(野菜の袋や、添付ソースなどの口を切るため)
そして、裁縫箱の中には「布用」を置いている。
100均はさみも、使い分けているうちに、それぞれの
「役割」を覚え、その「スペシャリスト」となる。
100均はさみだけど、「紙用」の切れ味は鋭く、
紙切り」のプロだ。
ただ、「紙切りのプロ」は、他素材には歯が立たない。
めっぽう弱い!

もとは、同じ「規格品」の、大量生産はさみでも、
ていねいに「専門」を教え込んで「育てて」やると、
どんどん「プロフェッショナル」に仕上がっていく。
はさみでさえ、数年かけて養成すれば「プロ」化
するんだ。

況んや人間をや だ!

「この道の専門家になるのだ」と心に決めて、
何年もコツコツと真摯にそれだけを見つめて
取り組めば、誰もが熟成されて「いい味」出して
ゆけるのだと思う。

巧みの業によって作られた「名品」でなくても、
大量生産のはさみでも、専門家になれたんだ。

私だって、きっと、コツコツがんばっていれば、
我が家のはさみに負けないくらいの切れ味を
手に入れられる!・・・よね??